限度額適用認定証をわかりやすく解説!【70歳以上編】

医療保険制度

こんにちは。
現役病院勤務をしている相談員のねこまるです。

この記事を読まれている方は、「限度額適用認定証」がなにものなのか調べているうちにたどり着いた方がほとんどだと思います。いろいろ調べてみたけど難しくて結局わからなかった方もいると思います。

そんなあなたに向けて!
病院の相談員が「限度額適用認定証」をわかりやすく紹介していきます。

この記事では

「限度額適用認定証がどういうものなのか」
「持っているとどんなメリットがあるのか」
「限度額適応認定証の取得方法」
※「限度額適用認定証」と「限度額適用・標準負担額減額認定証」はほとんど同じものなので以下:限度額適用認定証とします。

について解説します。

医療や福祉制度の話は漢字が多くて拒否反応が出るかと思いますが大丈夫です。一つ一つ丁寧に説明していきますので頑張りましょう。

ちなみに「時間がない方」と「69歳以下の方」の限度額適用認定証についての記事は下記からどうぞ。


限度額適用認定証とは

簡単に言うと、この限度額適用認定証は、

病院の窓口等で支払う医療費負担を安く(軽減)するものです。具体的には、上限額までしか医療費を支払わなくてもいいようにするものです。主に入院時の医療費負担の軽減に役立ちます

上限ってなに?といった疑問については後ほど解説していきます。

ちなみに、この限度額適用認定証は

「69歳以下」か「70歳以上」で上限金額が変わる。
「入院(世帯)」か「外来(個人)」で上限金額が変わる。

このように人によって変わることを知っておいてください。

70歳以上の限度額適用認定証

限度額適用認定証には「適応区分」というものがあります。「適応区分」は所得によって決まる「医療費の負担上限」を示しています。

適用区分 = 医療費の上限を示しているもの

と覚えておいてください。

それを踏まえて次の図①から、本人の収入から「適応区分」=「ひと月の上限額」を確認してください。
下記の図①をもとに解説していきます。

このように医療費の負担は「所得」に応じて変わることを覚えておいてください。
限度額適用認定証には所得に応じた、区分が記載されています。図①の左側に出ているようなローマ数字で表示されます。

区分の見方住民税非課税世帯」の方の場合、区分は「Ⅰ~Ⅱ」
現役並み所得世帯」の方の場合「Ⅰ~Ⅲ」
何も書いていない人は「一般課税世帯

つまり適応区分とは

先程も言いましたが、適応区分」とは「医療費の負担上限を示すものです。適応区分(医療費の上限を示しているもの)」は限度額適用認定証に記載されています。
※厳密には限度額適用認定証は本体で、そこに記載されてるのが区分

医療費負担額

70歳以上の方の医療費ですがこちらも外来と入院で分かれています。

入院にかかる医療費

入院においては基本的に「上限額」以上の「医療費」はかかりませんしかし、医療費以外に食費や衣類のレンタルなどで費用が発生します。

下の図で食費について確認して下さい。先ほどの区分と同じ見方です。

入院にかかる最低限の費用は、「医療費+食費」です入院費はここに衣類レンタル差額ベッド代が加わり、ひと月の費用が決まるのです(ベッド代やレンタルは病院によって異なります)。

わかりやすいように、図①をもとに「最低限かかる医療費」の計算をしてみます。
70歳以上で「住民税非課税世帯」の場合、ひと月入院しても医療費は15,000円しかかかりません。

食費と合わせると最低限かかる費用が15,000(医療費)+9,300円(100円×3食×31日)=24300円

となります。かなり安くなります。ほんとに。

外来にかかる医療費

外来の医療費は「適用区分(上限額) = ひと月の支払い上限額を示しているものの認識でOKです。なので最終的に支払い金額は「上限額まで」となります。

ただし、月に何回も通っていたら結局、合計費用は「適用区分」の「上限以上支払うことになってしまった」、なんてこともあります。そんなときに高額療養費の制度があります。

簡単に言うと、高額療養費とは

「ひと月の支払い上限額」以上に支払ったお金が戻ってくる制度。

ひと月で上限額を超える医療費負担が1つの病院で発生したら「高額療養費」の対象となります。また、この高額療養費の上限も「限度額適用認定証」が示しています。

詳しくはこちらで紹介しています。お金が戻ってくる制度なので是非一度は目を通しておいてください。

限度額適用認定証の取得方法

限度額適用認定証の取得方法ですが、基本は役所に行くことになります。また、ご自身の加入保険によって申請に行く場所が違います。併せてどこに問い合わせをしたらいいかも確認しましょう。

限度額適用認定証の申請先

加入している保険によって違いますので確認しましょう。

国民健康保険お住まいの地域の役所・役場の「国保課」に申請。
協会けんぽ健康保険証保険証に「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と書かれている場合は、その協会の各都道府県支部に申請。
組合健保健康保険保険証に「~健康保険組合」と書かれている場合は、その健康保険組合が窓口。
後期高齢者医療保険お住まいの地域の役所・役場の「後期高齢課」にて申請。

※基本的な持ち物は保険証と印鑑です。家族が行く場合は、本人と代わりに行く人の身分証を念のため持って行ってください。
※組合健保健康保険の方の場合は、それぞれ書式が異なるため、健康保険組合名で検索をしてホームページを確認してください。

問い合わせ先について

「70歳以上の方」は、直接申請しに行く前に問い合わせをしてから行くことをお勧めします。理由としては、申請に行っても無駄になる可能性があるからです!

住民税を納めており、かつ収入も現役並みでない場合(一般課税世帯)である場合は、限度額適用認定証は発行されません

一般の人を基準に所得が多いor少ないで区分(印)が付くからです。一般課税世帯だと区分(印)は付かないです。

問い合わせ先は保険によりますが、国民健康保険の場合は国保課。後期高齢者医療保険の場合は後期高齢課へ問い合わせてください。

注意事項

限度額適用認定証を入院中に取得した場合その月の末日までに病院の受付で提示をしないと適応されません。

限度額適用認定証の取得方法(裏技)

この方法は2世帯以上でお住まいの方が対象、かつ条件があります。

裏技と言っていますが、ちゃんと正規の方法です。例えを挙げながらお話しします。

簡単に言ってしまうと

同居している一方が単独でみれば非課税世帯である状況であれば、住民票上の世帯分離を行うこと(扶養から外れること)で、非課税世帯となることができる。

わからないと思うので例を見てください。

≪息子とおじいちゃんの2人世帯≫
おじいちゃんと息子の2人暮らしの場合。おじいちゃんの収入が遺族年金だけ(単独であれば非課税世帯になれる状態)で息子の扶養(住民票が同一世帯)となっている場合、住民票上で世帯を分離すればおじいちゃんは住民税非課税となり、分離した翌月から限度額適用認定証を取得できます。

つまり、おじいちゃん(一方)が単独でみれば非課税世帯である状況であれば、住民票上の世帯分離を行うこと(息子の扶養から外れること)で、非課税世帯となることができる。ということです。

しかし、注意してほしいことがあります。
公団にお住まいである場合、世帯分離をすることで退去をしなくてはいけない場合もあるので、確認をしたうえで手続きを進めてください。

まとめ

限度額適用認定証の取得方法と活用方法はわかったでしょうか。

医療福祉制度は漢字が多いので拒否反応がでるのはわかりますが、入院時などとても役に立つものです。事前に取得しておくことで慌てずに済みます。

年齢が高齢になるとそのぶんケガや病気をする可能性があります。入院や病院に通う機会も増えると思います。

是非これを機に限度額適用認定証の仕組みを理解して取得をしておきましょう。