年金生活は成り立たなくなる【制度の狭間に陥ってしまう高齢夫婦のリスク】

医療保険制度

こんにちは、ねこまるです。

 

みなさん、老後に不安はありませんか。

私は不安です。

 

病院で働いるといろんな方と出会います。

働きながら思うことは、今の日本では年金のみでの生活は長く続かない、ということです。

 

年金の種類は関係ありません

世の中には、厚生年金である程度のお金が入ってくる方でも、陥ってしまう社会保障の穴というものがあります。

みなさんやみなさんのご両親や祖父母などが陥る可能性が十分にあるのです。

 

今回は現在社会で起こっている、社会保障制度の狭間について少し説明をしていきます。今後に備えて是非読んでください。

年金受給額は満額でどれくらい?

そもそも、

みなさんは国民年金を納めていますか?

納めている方は満額納めていると将来、いくらもらえるかご存知でしょうか?

厚生労働省より引用

見ていただくとわかるように、

国民年金のみだと6万5千円程

厚生年金を満額もらっていても22万1千円程

実際のところ、月額6万5千円の収入だと預貯金がない限りは生活がままならないのはわかりますよね。

高校生がバイトして稼ぐお金より少ない可能性ありますよね。それで生活するわけです。恐ろしい。

 

でも、高齢化が進む日本では高齢夫婦世帯がわりと多いです。それでも夫婦で合わせて月額最大13万円です。

最大ですからね。最大。

どんなに健康的な方で医療費などがかからなかったとしても、最低限食費や家賃や水光熱費や保険料をここから支払うと、あまり使えるお金はありません。

預貯金がないとカツカツな生活を送ることになるのは想像できますよね。

当たり前ですが夫婦でも単身であっても、健康であれば厚生年金を受給していれば比較的余裕をもって生活できますよね。

それを踏まえて次から少し考えてみてください。

自宅で生活できなくなる理由

高齢になると病気はつきものです。

先ほど伝えた通り、死ぬまで健康で自宅で生活し続けられる方であれば、節約生活をすればかろうじて年金だけでも生活できるかもしれません。

ただ、死ぬまで健康なんて稀です。

骨は脆くなり、免疫力は落ちます。さらには、認知機能の低下がみられることも珍しくはありません。年を取れば当たり前のことですよね?

そのため、高齢の方で入院や施設入所される方は非常に多いのです。

また、状態が重いため、自宅には帰れず長期で入所や入院している方もいます。

長期で入院・入所する理由は

昔と違い、現在の日本は2世帯や3世帯といった、自分の親や子供と生活する家族は非常に少なくなってきているからです。

つまり、介護者がいないわけです。地域のコミュニティも昔ほどはなく、都心部においては希薄化しています。

介護者がいない、もしくは老々介護である場合は介護にも限界があります。

そこで問題が発生するのです。

誰にでも起こりうる問題

じゃあどんな問題か?

今からお伝えするのは高齢夫婦に起こる問題です。

現在日本では長期で入所できる施設が減っています。

むしろ安くて長く入れる施設は、みなさんも聞いたことがある「特養」くらいしかありません。特養なんて都心部では数百人待ちです。

それ以外に長期で入所できる有料老人ホームなどは、場所にもよりますが十数万~といったように、国民年金だけでは到底入所できません。

(有料老人ホームって何?って方はこちらから)

想像してみてください。

仮に、高齢夫婦が月10万円ずつ年金を受給していたとしましょう。

その夫婦は、夫が病気で寝たきりになり、妻は認知症があり、介護はできない

とてもではないですが家で看るのは無理でしょう。リスクが高すぎます。

施設入所を考え、「夫」が月15万程度の有料老人ホームに入れたとしても、妻は月5万で生活をしなくてはならなくなるわけです。

 

こうなってしまうと「妻」が病気や怪我で入院となった場合、医療費の支払いはできないでしょう。

そんなリスクを抱えて生活していかなくてはいけないのです。

 

これが若い方ならまだ健康でいることは可能かもしれません。ただ、高齢の方はケガや病気のリスクがついてまわります。

どう考えてもこの状況は高リスクですよね。

 

つまり、突発的な病気や事故で状態が重くて家では看ることができない方でも、お金がないとやむを得ず「自宅に帰る」か「リスクを背負って施設入所」の選択をしなければならなくなります。

 

正直、「国民年金のみ」の受給であれば生活保護の対象となる可能性が高いので、生活保護を受給した方が費用面では安心できます。

ただ、生活保護にもならない方が一番危ないのです。

社会保障制度の穴

夫婦の方の場合に限りますが

例えば昔はよくあった、

夫が働いて、妻が専業主婦。

この場合、多くは夫が厚生年金の受給をしており、妻は国民年金のみ。つまり、夫の扶養に入っているため「課税世帯」となるわけです。

 

これを踏まえて想像して下さい。

家賃が月5万程度のところに住んでいる80代の夫婦がいるとします。夫は厚生年金を満額、妻は国民年金を満額受給していたとします。

合計月28万円の年金受給です。余裕がありますよね。

ただある日、

妻が脳梗塞で入院となり、寝たきりになってしまいました。口から食べ物を飲み込めないので点滴をして栄養を身体に取り込んでいます。

これでは自宅で介護するこはできないため、長くいられる療養病院へ転院しなくてはいけないのですが、17万円程かかりそうです。

(療養病院についてはこちら)

仮に転院できても入院費17万+家賃5万で22万円です。

月の収入の残りは6万5千円です。このお金で夫は生活をしていかなくてはいけません。

生活できるよね?っと思ったあなた。

高齢の方はいつ何が起こるかわかりません。

ちょっとした「転倒」で骨折して入院になります。

もし、夫がこの状況で入院した場合、13万程度はかかります。こうなってしまうと医療費は支払えません。

でも生活保護にもならないのです。

社会保障制度

紹介してきた事例は、ほんの一部です。

正直なところ、「生活保護」に該当するのであればまだいいのです。「助かる道がある」という意味では。

お金があるが故に生活保護にも引っかからないけど、入院や施設入所で払うお金はない。というのがまずいです。

この社会保障の穴に陥ってしまうパターンは2人以上で生活しており、一方に比較的収入があることが多いです(経験談)。

老後に向けた貯金はかなり大切です。

また、周りの家族や子供との縁はそれ以上に大切だと思います。介護できる家族がいることで自宅に帰ることができる方は多いです。

まとめ

正直、こればっかりは対策というか改善策はないです。

強いて言うのであれば、「貯金」と「家族」を大切にしてください。

現状では日本の制度そのものが、高齢化など日本の社会の変化に対応できていません。

制度を変えたとしても、すべての人の問題が解決されるわけではないです。個々で抱えている問題は異なるからです。

そこでソーシャルワーカーが問題解決のお手伝いをしてくことが必要になってくると思っています。その辺はまた今度記事にできたらなと。

この記事を読んだ方で、家族が入院中であったり自宅で今後について問題や不安を抱えているようであれば、病院のソーシャルワーカーに相談してみてください。

わからないことがあれば問い合わせフォームからご連絡をいただいても構いません。

ざっくりと伝えるために、端折っているところがかなりありますが、これを機に、老後や家族のこと、日本の医療や福祉について少しでも考えるきっかけになればと思っています。